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レモン [俳句]

 レモン(檸檬)も秋の季語になります。レモンスカッシュやレモンソーダなどの飲み物から夏をイメージしたくなりますよね。

 レモン切る 遠距離の恋 はや二年
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 半分に切ったレモンとそのすっぱい味に,離れ離れになった恋人同士の切ない気持ちを重ねてみました。13年前に作った時は「ホットレモン 遠距離の恋はや二年」となっておりました。
 しかし,現代は情報通信機器が発達し,ケータイの電子メールやテレビ電話を駆使して遠距離恋愛もなんのその[exclamation×2]と言うカップルが多いでしょうね[たらーっ(汗)]

 今回のレモンの写真は,茨城県植物園の熱帯植物館で今年5月に撮影したものです。

曼珠沙華 [俳句]

 今回の俳句は,秋の花曼珠沙華(まんじゅしゃげ)を詠んだものです。
 彼岸花(ひがんばな)のほうがお分かりになりますでしょうか。毎年,秋の彼岸の時期(9月下旬)に満開になるのですが,今年は開花が遅れているようです。
 お寺や墓地に植えてあることから「死人花」とも呼ばれ,忌嫌う人もいらっしゃるようですが,葉がなく茎だけがすっと伸び,その先にきれいな花が咲く様子は【みなと】の好みです[かわいい]

 しかし,見た目とは裏腹に,球根を含め全体に猛毒があります。
 京都・大原では,秋になると曼珠沙華が田のあぜに一直線に咲き,離れた場所からでも赤く染まっているのが分かるとか。この植え方はモグラ対策にもなるそうですね。

 妻おんな 両の顔して 曼珠沙華
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 「美と毒」と言った二面性を,「結婚してからも女である自分を失いたくない」と考える女性の心理と重ねてみました。この気持ちが“毒”だ,と言いたい訳ではありません,念のため[たらーっ(汗)]

 何はともあれ,秋の雨でしっとり濡れた曼珠沙華も美しいと思います。上の写真は茨城県筑西市で撮りました。

旧暦八月の月 [俳句]

 旧暦八月は,古来から日本人が月を深く愛でる季節。
 『季寄せ』(角川書店編)を見ておりますと,八月の月に関する季語(秋)はたくさんあります。
 十五夜(今年は9月22日)ばかりでなく,待宵(まつよい:同9月21日),十六夜(いざよい:同9月23日),立待月(たちまちづき:同9月24日)など。見えない時でも無月(むげつ),雨月(うげつ)と呼んでいます。
 八月朔日(同9月8日)から,夜空の月をできる限り撮影しました。また「月と恋愛」をテーマに,句作にも挑戦しました。ご笑覧くださると幸いです。

 名月や 叶いたる恋 二年越し

 愛と罪 長き日記(にき)なり 月の雨

 下の写真は順に,八月六夜[三日月](2枚),十夜[半月],待宵(2枚),十五夜[満月](2枚)です。トリミングしたものなのではっきりしませんが,どうぞ雰囲気をお楽しみくださいませ。
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 十六夜については,今年は雨のため見られませんでした。【みなと】の母が申しますには,十五夜より十六夜のほうが満月に近いとのこと。確かに十五夜の写真,ほんのわずかですが欠けているように見えます。比較できなかったのは残念[もうやだ~(悲しい顔)]

 嫉妬心 封印できぬ 降(くだ)り月

 「降り月」は,満月から一夜ごとに欠けていく月のことです。
 旧暦九月にも,月に関する季語があります。今後も折を見て,月の句に取り組んで参ります。

賢治忌 [俳句]

 今日9月21日は,宮沢賢治(みやざわ・けんじ)の命日です(昭和8年)。「賢治忌」は秋の季語となっております。
 宮沢賢治は,童話作家や詩人として有名です。代表作は『銀河鉄道の夜』『風の又三郎』『セロ弾きのゴーシュ』など。
 彼は農業を学んでおり,また農学校の教師をしていた時期もあることから,農業研究者すなわち科学者であるともいえるでしょう。すべての作品には,ポエジーな要素ばかりでなく,科学的,あるいは宗教的な面も反映されているように思われます。
 【みなと】の母は賢治の大ファンで,下の写真の『宮沢賢治童話集』は約40年前に購入し,今も愛読しているとのこと。【みなと】も小学生の頃,この本に掲載されている”雨ニモマケズ”を書き写し,授業で発表した憶えがあります。

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  つと解けし 三角関数 賢治の忌

 今回の題材にした「三角関数」,高校時代に学習なさった方も多いかと思いますが,社会人になるとほとんど接する機会もなく忘れてしまうでしょう。思い出すのは,サイン,コサイン,タンジェントくらい・・・[冷や汗]
 先日,本屋で高校生用の参考書『数学Ⅰ+A』を衝動買いしてしました。秋めいてきて,新しいことと言いますか,かつて苦手だった分野にもう一度取り組みたいと考えたところです。この決意,いつまで続くかは・・・???
 宮沢賢治も三角関数に挑戦したことがあるのでは?と想像しているうちに,このような句ができました。
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コスモス [俳句]

 コスモスは,秋の季語に分類されます。
 漢字では秋桜。花の形や色はもちろん,風を受けてそよぐ姿も好きで,句作を始めた時は真っ先にコスモスを題材にしました。
 
 コスモスの揺れて パンセを読み返す

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 『パンセ』は17世紀フランスの哲学者・科学者であるパスカルの思想集。【みなと】の愛読書でもあります。
 有名なフレーズは
「人間はひとくきの葦(あし)に過ぎない。(中略)だが,それは考える葦である。」
「クレオパトラの鼻。それがもっと短かったなら,大地の全表面は変わっていただろう。」
など。
 ちなみに【みなと】が好きな箇所は,
「人は精神が豊かになればなるほど,独特な人間がいっそう多くいることに気がつく。普通の人たちは,人々のあいだに違いのあることに気づかない。」
「絵画とは,なんとむなしいものだろう。原物には感心しないのに,それに似ているといって感心されるとは。」
「君主や国王たちは,ときどき遊ぶ。彼らはいつも玉座にいるわけではない。彼らはそれに退屈する。偉大さを感じるには,それを離れる必要がある。何事においても,連続は,嫌気(いやけ)を起こさせる。身体をあたためるためには,寒さも心地よい。」

 なお,この句は1997年当初は「コスモスの揺れて カントを読み返す」となっていて,その後の指導添削で「読み返すカント コスモス揺るる庭」となりました。こちらのほうがすっきりしていますね。
 この指導を受けて詠んだのが次の句です。

 別れ来て 揺るるコスモス 津和野駅

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 島根県にあるJR津和野駅を訪れたのは11月下旬,みぞれ混じりの雨模様でとても寒い日。
 発車間際の列車内から駅舎を眺めた時,ふと,コスモスが揺れている情景が浮かびました。愛しい人との別れで揺れる気持ちとかけてみました。

遠花火 [俳句]

 二学期が始まったものの,気分は未だ夏休み,といった学生さんもいらっしゃるでしょう。
 夏休みの行事では,花火大会が一番の思い出とおっしゃる方も多いでしょうか。花火も俳句では夏の季語ですが,秋に大会を実施しているところもありますね。
 茨城県土浦市では,毎年9月下旬又は10月上旬の土曜日に全国花火競技大会を実施します。今年は10月2日となっております。
 花火大会を見に行かれる時,幼い頃はご家族で,思春期以降は友人や恋人とお出かけになることが多いのでは。結婚後はもちろんご夫婦で,しょうね[揺れるハート]
 花火イコール夏の恋,とイメージして創作しました。1997年の作品です。

 なつかしき腕に抱(いだ)かる 遠花火
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 遠くで開く大花火を眺めると,昔付き合っていた人を思い出す,といった情景になってしまいました[もうやだ~(悲しい顔)]

 ところで,今回掲載した花火写真はすべて土浦全国花火競技大会実行委員会のホームページから拝借しましたことをお断り申し上げます。
 第79回土浦全国花火競技大会(土浦市公式ホームページ)    
  http://tutiura.727.net/hanabi/index.html

冷しラムネ [俳句]

 今日から9月になりました。【みなと】が住んでおります茨城県笠間市は,地形が盆地のため,日中は非常に蒸し暑く,夜半までこの暑さが続き,明け方には幾分涼しくなる,といった気候が続いております。
 さて,先日スーパーの飲料品コーナーで,ラムネが売られているのを見かけました。人気アニメのキャラクターが描かれています。容器はプラスチック製。
 手元にあります『季寄せ』(角川書店編)によりますと,ラムネも夏の季語に分類されています。
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 【みなと】が子供の頃はガラス瓶で,近所の駄菓子屋さんなどで売られていました。栓になっているビー玉を押し入れて飲み,瓶を振ると「カランカラン」と澄んだ音を響かせました。ちなみに空瓶をお店の人に返すと10円もらえた記憶が・・・。
 今回購入したラムネ,付属のスティックでビー玉部分を押したところ,炭酸がシュワっと音を立てて湧き上がりました。

 冷しラムネ 旅の想い出きららきら
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 夏休みの家族旅行をイメージしての創作。1997年当時は「冷しラムネ 旅の思い出きらきらす」となっておりました。
 甘い炭酸水を口にし、細かい泡が輝きながらゆっくりと上っているのを眺めているうちに,楽しかった旅行のシーンもきらきらとよみがえってきました。

アイスティー [俳句]

 カレンダー上では秋を迎えたものの,現実はまだまだ暑い日が続いております。
 さて,自作の俳句,今回も夏の季語で掲載します。

 アイスティー 恋愛談義つきぬ午後
 こちらの句も,前回と同様1997年に創作しました。
 若い頃,学生時代の友人と集まって話し始めると,時間を忘れることがしょっちゅうでした。
 喫茶店に入ってお茶とケーキを頼み,夢中になっておしゃべり。内容は他愛もないことが多く,仕事関係,最近の流行,昔の思い出,そして恋の悩みなど。
 話題は無尽蔵。どこまでも広がっていきます。こうしたことを楽しいと感じるのも,若さの特権なのかもしれませんね。
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 アイスティー いま始まりし恋の味
 この句は出来たてです。比較すると,13年前のもののほうが「大人の味」がしますでしょうか[あせあせ(飛び散る汗)]

夏木立(なつこだち) [俳句]

 So-netブログの中には,俳句を題材にしているものもお見受けします。共通テーマに「俳句」はないので,それぞれのテーマで載せていらっしゃるようです(テーマなし,のものもありますね)。
 拝見しているうちに,【みなと】もかつて句作を行っていたことを思い出しました。20歳代後半の時,知人から誘われたのがきっかけで夢中になり,高校時代に所属していた文芸部の仲間で自主製作した「卒業10周年記念文集」にも掲載しました。ちなみにこの文集,すべてN・Kさんの手作りです。
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 しかし,短期間で句が浮かばなくなり,自然にやめてしまいました。
 最近また創作意欲が湧いてまいりましたので,昔作った俳句をこのブログに掲載してみようと考えました。
 今振り返ると,かなり恥ずかしい作品ですが,これをきっかけに新たな句がひらめくことを期待しております。皆様にもご笑覧いただけると幸いです。

  夏木立 少女の笑い はずむ朝

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 1997年の時は「夏木立 少女の笑い はじけ飛び」となっていました。
 1学期の終業式の朝,登校する子供たちをイメージしました。今は夏休み中ですが,9月になれば,またこのような光景が見られるでしょう。その時期の季語は「夏木立」ではありませんが。

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